295万円のネックレスはなぜ”激安”と言えるのか?ーー「激安」とAmazon検索し、値段の高い順に並べてみてわかったこと①

「激安」とAmazon検索し、値段の高い順に並べてみてわかったこと

激安の哲学を考える。

例えば、「最も鼻の短い象を見たいか?」と問われると、

もしかしたら悲運な象が密猟者によって牙を持っていかれるほんのついでに、邪悪な好奇心によって鼻先をもがれたのかもしれない……と胸を痛めるかもしれない。

しかし、「一番首の短いキリンが見たいか?」と問われれば、

それはもはやキリンではなく、シカか何かだ、と自信たっぷり、我騙されず!のしたり顔で答えるだろう。

つまり、象の鼻が短いという事実は不運な事故によって引き起こされる可能性があるが、キリンの首が短いという現実が存在することを、我々人間はおよそ想定していないのである。少なくとも僕はそう考える。

今回の問いにもキリンと同様のことが当てはまる。

「激安」と謳われている商品を高い順に表示した時、そこに「295万円」の商品があれば、頭のある人間なら誰しも、頭を抱え込んでしまうに違いない。なぜここに頭がついているのだとでも言うように、頭を強く強く抱え込み、考える能力がなければこんな苦しみを感じないで済むのにと、頭をガツガツ壁にぶつけるだろう。

そんなものがあるはずがない!と自信たっぷり、我騙されず!のしたり顔をして言い放ちたいはずなのだ。

「喜平ネックレス 18金 六面ダブル」295万円は”激安”なのか?

しかし、ここで「激安」ではない!の一言で済ませてしまっては、人類の進歩はそこで終わってしまう。我々は知恵と文明を持つ誇り高き人間なのだ。喜平の18金 六面ダブルを思考停止で高いと言っていては、脳みそが腐ってしまう。

考察を開始する。

まず、今回の商品の詳細を記載する。

商品名値段重さ備考
K18 喜平ネックレス 18金 六面ダブル¥2,952,100 300g・造幣局検定マーク刻印入
・ジュエリーケース付き
2023年5月28日現在

続いて、18金(K18)の相場は次の通りだ。

商品名1gあたりの値段
18金(K18)¥7,160
2023年5月28日現在の18金(K18)買取相場

「喜平ネックレス」の重さは300gであることがわかっているので、単純に計算すると……

買取相場価格は、「¥2,148,000」となる。

売値との差額は、「¥804,100」となった。

金買取相場価格からの差は「80万円」超え

金販売の利益率はどれくらいか?

金販売の利益率を知ると、この80万円の差額の受け止め方が変わるだろう。

ある金販売業者のサイトによると、金の取引における利益率はばらつきはあるものの、

低くて1.6%、高くて6.9%ということがわかった。平均は4%ほど。

単純に計算してみるとどうなるか。

295万円で販売し、80万円の利益が出る場合、利益率は27%となる。

「造幣局検定マーク刻印入」が価値を押し上げている⁉️

備考欄に記載していた、「造幣局検定マーク刻印入」が価値をあげているのではないか⁉️と素人ながらに思ったが、造幣局が品位証明をしている=純度などを保証してくれる制度で、特に大きな価値になるわけではなさそうだ。

ただ、商品画像を見ると、K18であることを示す「日本の国旗と<750>」のマークは目視できなかった。商品画像で見えている範囲にないだけで、見えていない部分に造幣局検定マーク刻印入が入っているのかもしれない。あるいは、商品撮影の後に、慌てて彫りにいったのかもしれない。

「ジュエリーケース付き」が要因なのか……⁉️

当然、今回の300gではない、もっと軽量のモデルでも「ジュエリーケース」が付属するため、もはやこれが295万円にまで価値を押し上げる要因ではないことは明白であった。

300万円で買えるものから考える、K18ネックレスの価値とは?

300万円で買えるものには次のようなものがある。

  • 中古高級車 メルセデスベンツやBMWなどの高級車でも中古車であれば300万円で手に入れられる
  • 南極旅行14日間ツアーを楽しめる
  • ラーメン屋・パン屋や塾などの会社を買い取れる
  • 映画「パラノーマル・アクティビティ」を2本作れる
  • 映画「ソウ」を2本作れる

それでも、喜平ネックレス295万円を買うことは激安だと言えるのか?

ーー答えは、YESである。

僕なりに、喜平ネックレス295万円が激安である理由を列挙したいと思う。

夢を買っている

喜平ネックレスを買うことによって、人は夢を買っているのだ。
同じことは住宅事情にも当てはまる。日本では、都内一部を除き、新築住宅は資産価値が目減りしていくことがやすやすと想像できるが、マイホームを持つという「夢」を購入することが、人の幸せに寄与していることが現実なのだ。
喜平ネックレスの六面ダブルのひとつひとつの隙間には「夢」がねじ込まれているのである。
ちょうど虫歯で穴の空いた歯に、レジン樹脂を詰め込むように。

新築マンション・新築戸建ての価格を3,000万円と見積もったとすると……

今回買える夢は、実に2,705万円も安く買えたことになる。

狩猟社会だった頃の、誇りをぶらさげている

ネックレスの起源は、狩猟採集時代にさかのぼる。
狩猟に成功した際に、獣の骨や牙などを紐に通して首からかけて、己の力を誇示する意味もあったらしい。
また、犠牲になった動物たちへの感謝と畏敬の念、次なる狩猟の成功や豊作を願った名残でもある。
つまり、18金(K18)のネックレスを首からかけるということはつまり、295万円の資産をもっているぞと誇示することに他ならない。
また、次なるネックレスを獲得するぞ、という意気込みの表れでもあるのだ。

実際に狩猟に成功し、誇りを獲得するには、お金がかかることはやむを得ない。

もちろん、ウサギやネズミ程度の小動物を狩ることで、喜平ネックレス18金と同様の誇りを得られると思っているわけではないだろう。もしそう考えている人がいるなら、今すぐビーズのネックレスを背中に叩きつけてもらって、邪な考えや、ホイップクリームのように甘い甘い覚悟を払ってもらう必要があるだろう。

さて、本場、アフリカに出向いて獣を狩猟するためにはいくつかの手順を踏む必要がある。

  • 狩猟パッケージに応募する

→これは獲物の種類、サイズ、狩猟期間、提供されるサービスによって異なるが、概算で10万〜1000万まで幅があるようだ。

  • 狩猟許可やライセンス

→日本で取得すると10万円ほどかかるので、アフリカでも同じくらいと仮定してよいだろう。

  • ガイドやトラッカーへのチップ

→基本料金はパッケージに含まれているが、チップは都度支払う必要があると考えた方が良い。
→また、手紙と日本のお菓子やキーホルダーなどを、可愛らしい封筒に入れて手渡すと喜ばれるらしく、その労力は凄まじい。訳のわからないことを手紙に書いて、母なる大地アフリカの怒りを買ってしまえば、四肢をもがれる可能性だってある。

また、彼らが好き嫌いが激しい上に、特に好きなものを公言してくれなかったらどうする?
まず、彼らの交友関係を洗い出し、日頃の行動から好きなキャラクターやお菓子を綿密に調査し、封筒の好みなどの情報を入手しておく必要があるではないか。
そうなれば、数十万ではきかないだろう。

  • 移動費・宿泊費用
  • 狩猟のための道具
  • 狩猟に相応しい服装

などなどを考慮すると、少なくとも500万〜1000万は覚悟した方が良いだろう。

しかし、そうした苦労を乗り越えた先に得られる「誇り」が、喜平18金ネックレスを買うだけで手に入れられるとしたらどうだろう?

激安ではないだろうか。

狩猟時代の誇りを喜平で得られるとすると、あなたは実に「705万円」得をしたことになる。

盗難のリスクにも怯えない肉体と精神の誇示

295万円の18金ネックレスを首にかけて街中を歩くことは、つまり、首に300万円の札束を貼りつけて歩いているようなものである。
300万円で買えるものをおさらいする意味で再度書くと、ある人には、ベンツを小さく丸めて凝縮したものを貼りつけているように見えるだろうし、またある人には、南極旅行の得難い14日間の思い出をぺたぺたと首に貼りつけているようなものなのだ。
そして「パラノーマル・アクティビティ」2本分制作できる力を凝縮して塗り込めているようなものであることもお忘れなく。

そのリスクをあえて背負う覚悟……覚悟そのものを買っていると言えるかもしれない。

確かに、幼少の頃に母親に、子ども用携帯電話や、防犯ブザーを無くさないように首から下げるように言われていたことを加味すると、喜平ユーザーたちの「大事なものを無くしたくない」という少々の怯えを汲み取ることもできるが、しかし、母親との約束を守り抜く覚悟、という読み方もできる。

まだ親指をしゃぶっていたあの頃からの約束を、今でも守り通そうとしている信念には頭があがらない。素晴らしいことである。

さて、この覚悟は、手に入れようとするといくらかかるのか?

強盗などの卑劣漢に狙われる際に雇うのは、ボディーガードである。
ボディーガードを雇う際の相場は、3人体制、8時間で約20万円である。
卑劣漢に狙われるリスクとは、8時間20万円なのである。しかしこれはたったの1日だけ。
まさか、喜平 18金ネックレスを1日で手放す人間などいるわけがない。
例えば、金の相場チャートを見ると、短くて半年、長くて1年半くらいで金価格の上げ下げの波があることがわかる。買うタイミングにもよるが、だいたい半年〜1年くらいで売る人が多いと考えられる。

よって、ボディーガードは短くても半年間=180日間ほど雇っておく必要があるのだ。

つまり、20万×180日間=3,600万円かかることになる。

卑劣漢による盗難や暴行のリスクを恐れない覚悟を、あなたは実に「3,305万円」も安く手に入れられるのだ。

みだりに他人に首を触らせない空気感

また、高価なネックレスをつけている首を、まともな精神の人間はみだりに触ろうとしないだろう。
そういう意味では、18金ネックレスを買うことは、つまり、他人にみだりに首を触らせない空気感を買っている、ともとれる。
みだりに首を触らせることは、窒息や首筋チョップ、うなじの乱れを生み出してしまう。
そのリスクを、誰に何かを言うこともなく最小限に抑えることができるのは、確かにひとつの特権なのかもしれない。
例えば、仲間に向かって「みだりに首筋を触るのはやめてくれないか」と言ってみたまえ、即座に、首を触れるのを嫌がるやわな奴、という印象を与えてしまう。ゆくゆくはその仲間のトップに君臨したいと野望に燃える人間であれば、そんなリスクを冒していいはずがない。
もじもじしていて、首を触って欲しくないことを言えなかった場合も悲惨だ。
うなじの産毛はぐちゃぐちゃに乱され、襟足の生え際は見るも無惨なミステリーサークルに成り果てることだろう。
もっと言ってしまえば、首にホクロやちょっとしたイボがあったりなんかしたらもう絶望だ。ホクロは何かしらのボタンと化してぽちぽちひっきりなしに押され、しまいには陥没、最悪の場合、皮膚の死を迎えるだろうし、ちょっとしたイボはしきりに引っ張られ、こねくり回された挙句、しゃぶられる未来までは覚悟しておいたほうが良い。

自分で書いておいて、熟していないトマトみたいに真っ青になるほどの恐怖。
そんなリスクを、喜平の18金ネックレスは人知れず回避してくれるのである。
295万円くらい、払ってもまだ払い足りないのではないだろうか?

円換算するには、あまりに大きすぎるメリットであるが、試行錯誤して計算してみることにする。

仲間うちでボスの座に君臨し、カリスマの名をほしいままにできる優越感の金銭的価値を列挙する。

  • ビジネスや社会的なネットワークの拡大が見込めるため、ネットワークビジネスをするのに有利である(推奨しません)
  • 仲間における大きな影響力によって、飲み会で好きな店を選ぶことができる(プライスレス)
  • 飲み会を開催した際に、幹事としてお金を全体徴収し、端数の余った金額を享受することができる。(1回500円×月2回開催→年間24回=12,000円)
  • 飲み会の際に、乾杯の音頭をとることができる。その精神的価値は甚大であり、身震いするあまり、グラスを割り散らしてしまうほどである。(プライスレス)
  • 飲み会の際に、乾杯の音頭を取る際に、皆がまだ酒による注意散漫や思考能力低下に陥ってしまう前の貴重な時間を使い、注目を浴びながら一言発することができる。このメリットはあまりに過剰な幸せを浴びることができ、その快楽は性交に十分匹敵すると言われている。(プライスレス)
  • 飲み会の際に、締めの時間を切り出すことができる。自分の発言が大ウケしたタイミングに店を出ることを切り出す権利を持つため、最高の気分のまま帰宅することが、唯一保証されている立場と言える。
    もし、大スベりしてしまったタイミングで締めが切り出されたとすると、三日三晩はうまく眠れない夜を過ごすことになり、睡眠薬に頼る日々がやってきて、内臓への負担は激甚となるだろう。また枕を涙で濡らすことになるため、洗濯代の高騰、あるいは枕カバーの買い替えを余儀なくされることが予想される。
    リーダーになるだけで、枕カバーの買い替え頻度は一気に落ちる。このお得感を見逃す人間はいるまい。(枕カバー1,000円×年1回が、年3回に増加=2,000円の差)
  • また、飲み会の際に、2次会への誘導がスムーズに行えるというメリットがある。これもまた旨みである。(プライスレス)
  • また飲み会の際に、2次会での場所決めにおいて利がある。これもまた、リーダーのアドバンテージである。(プライスレス)
  • また、飲み会の際に……以降、3次会、4次会、5次会、と永遠に続く。(プライスレス)
  • 最後に、オスのオランウータンで、強いオス=ボスになると、フランジと呼ばれる顔の側面にできるサボテンの葉肉のような大きなエラを獲得することができる。これによって、ロングコールと呼ばれる独特の声を発し、周囲のメスを呼び寄せることができるのだ。これは何にも替え難い至高の特権と言えるだろう。
    あなたの周りのリーダーに、ロングコールとも思える雄叫びをあげる人間はいなかっただろうか?彼らをよく見ると、少し頬が立っているのがわかる。それがフランジである。(プライスレス)

上に列挙したような便益を、円換算するとどうなるか。

実に「14,000円」お得になっている計算である。

しかし、ここで喜平が295万円の価値がないことを指摘するのは、早計である。

うなじを乱された時の治療代金を免除されていることも忘れてはならない。

乱されたうなじはもう元には戻らない。つまり、脱毛して綺麗さっぱりお別れするしかないのだ。
そのため、脱毛料金を考慮することにする。
うなじの脱毛料金は、だいたい5万円ほどである。

つまり、喜平を買い、うなじを乱されることのない生活を手に入れたとして、
合計「64,000円」得したことになる。

いや、まだ計算は終わっていない。

ここまではあくまで、首筋にいじられやすいホクロと微妙なイボがないことが前提であった。
これを考慮せずに、一体何が語れるだろう。
ホクロと微妙なイボこそが、今回の話の主軸であったはずなのだ。いつの間にやら飲み会の幹事がどうとかの話にすり替わっていたが、目を覚ました方がいい。

さて、仮に喜平を買わない選択をし、首筋を無防備に、みだりに触らせてしまった結果、ホクロはエレベーターのボタンみたく滅多矢鱈に押されまくり、黒ずんでしまったとしよう。
そのホクロは一体どうする?
そのままにしておけるはずがないのだ!
ホクロ除去は、皮膚科クリニックで2万円ほどで取ることができる……が、しかし、しかしである。
首筋のホクロがたったの1つであるわけがなかろう。ホクロというものは数えるたびに増えると言われるほど、案外多いものである。ホクロを1つ見つければ、100個あると思った方が良い。
※これはたびたびゴキブリの出現に際して言われるセリフだが、実はホクロが先だったという話を、全米ホクロ協会で出ていたという噂がちらほらあったとか、なかったとか、疑惑が出がちらしいと小耳に挟むとか挟まないとか、とにかく議論の対象候補として検討されがちとのこと)

つまり、首筋のホクロ1個を除去して安心していたところ、ほんの数センチ横にあった別のホクロに押される対象がずれるだけ、結局、それが延々と続き、隣、また隣、といたちごっこになるだけなのだ。

100個ホクロを除去すれば、200万円だ。

さらに、微妙なイボがあった場合はどうか。

これも2万円が相場だが、イボなどというものは定義が実に曖昧で、皮膚から飛び出た部位をイボと呼んでいれば、そのうち、耳や鼻なんかも立派なイボ然として見えてきて、触り、愛撫し、つっつきしゃぶりの対象になるのも時間の問題。
鼻や耳を取り去るわけにはいかないため、これには頭を抱えるしかあるまい。

ただし、この見積もりは控えめだ。

ホクロだけで200万円との算出が出ているが。「1個ホクロがあれば100個ホクロはある」という推測法に準拠すれば、100個あるホクロは、実はその100倍の1万個あるという計算になり、実際に1万個あれば、推定では100万個あるという計算になるのだ。
このパラドクスは永遠に続く。

よって、喜平 18金のネックレスをつけることで、首をみだりに触られるリスクを回避し、リーダーの座に君臨することができれば、優に300万円以上の価値を享受できることになるのだ。


「激安」と検索して一番高値の「喜平ネックレス295万円」は”安い”

様々な角度から検証を行った。

僕の結論は、こうだ。

「激安」と検索して一番高値の「喜平ネックレス295万円」は”安い”

いや、文字通り、”激安”だと思った。

様々な角度から計算した結果、実に「7,000万円」得であることがわかったのだ。

安いと表現するには、あまりに”激しすぎる”のだ。

295万円が背負っている、実に様々なメリットを考えれば、激しいほどに安い。

これで今回の検証を終わりにしたい。

最後まで読んでくれた諸君、喜平の18金のネックレスの購入を是非ご検討いただきたい。

※あくまで個人の見解です。読者においては、己の激安感覚を養ってから、自己責任でご購入を検討ください。

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