
目玉の自立
街の強烈なネオンサインに引き込まれ、追いかけていくうちに、一際輝く眼科に辿り着く。
その光に魅せられながらも、眼球の方ではいったいどう思っているのだろうかと考え、立ち尽くしていた。
すると、ふと扉が開き、眼科医らしき男が出てきて「うちは触診がメインなのです」と言って、僕の眼球をにゅっと抜き取り、2個の玉を、まるで舌で飴玉を舐めるみたいにこね回す。
相当な眼精疲労だと言うので、目玉は小さなベッドに寝かしつけられ、マッサージ術を施された。
その後、ビタミン液に5分ほど漬け込まれ、電気治療と鍼治療を終えて目玉は僕の眉の下に戻ってきた。
「次からはひとりで行けるね?」
僕は、目玉と耳と鼻と歯と爪と髪の毛と内臓連中に尋ねた。
メンテナンスのたびに、肉体全部で耳鼻科とか歯医者とか消化器科に行くのは、いちいち非効率なのだ。

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